1 ゴルフ 白球と戯れる

7度目も敗退 遠い「全日本」…PGSミッドの中部決勝

右へ左へ 2日でOBを5発 悔恨の自滅

 日本パブリックゴルフ協会(PGS)が主催する「ミッドシニアアマチュアゴルファーズ選手権」の中部決勝が9月13日と14日、名古屋広幡ゴルフコースで行われ、65歳以上の”おじいさん”119人が出場した。8月の県予選を通過できたぼくは、全国大会めざし中部決勝に7度目の挑戦をしたが、「169」の87位タイに終わり、切符が得られる45位より7打も多く叩いた。右へ左へ、痛恨のOBを2日で5発も放った。大事な試合で情けない自滅をまた止められず、うずまく悔恨の毒にうなされている。

<写真① 練習場は似た年のおじいさんばかり=看板は合成>

■なにが引き金になったのだろう


 ぼくはラウンドから帰宅すると、ゴルフダイジェスト社のオンラインサイト(GDO)にスコア経過を打ち込むのを習慣にしている。1日目の経過が図①と図②、2日目の経過が図③と図④だ。これをたどりながらOB5発の誘因をさぐってみる。

<1日目の3発> 前半の「寄らず入らず」に伏線
<図① 1日目の前半=寄らず入らず16パット>

 遠因は前半の9ホールにあった。「寄らず入らず」のボギーが5ホールあった。グリーンが柔らかくてアプローチが寄り切らない。しかもパットも打ち切れない。そのイライラをためたまま後半に入った。

<図② 1日目の後半=4番と5番でOBを3発 ! >
3パットに心の怒声

 最初のつまづきは後半のアウト3番だった。1mもないショートパットを外し3パットにした。何やってんだ、おれは—。次の4番パー3で打順を迎えても、みずからへの怒声が全身に響き渡るのを抑えられずにいた。6番アイアンのティーショットは左へフックして林へ消えた。バックスイングで溜めを作れず、怒りにまかせて振りにいってしまった。

 本当の悪夢はその後だった。5番のティーショットでは、第1打はダフって右へのOB。打ち直しの暫定球は左フックとなり、またもや林の中へ。2打連続のOBでこのホールは「8」。スイングのリズムは真夏の猛練習で身につけたつもりだったのに…。肝心の心が完全に冷静さを欠いていた。

 あまりにも情けない。もう終わった。そう観念して、開き直ってプレーしたら、6番からの残り4ホールはみんなパーがとれた。神様はなんて気まぐれなのだろう。

<2日目の2発>「ここでリベンジ」が裏目

 1日目の「87」は99位タイだったが、この試合はカットはない。2日目を「75」以下にしないと全国には届きそうになく、切符はほぼ絶望だった。ぼくは2日目の目標を「1日目のミスへのリベンジ」に置いた。

 ところがスタートホールで、またもや痛恨の3パットを打ち、目標の一角はすぐに崩れた。しかし3番でチップインバーディーがきたから神様はまだ見捨てていなかったらしい。その後もボギーを三つにとどめて後半に希望をつないだ。

<図③ 2日目前半=4番チップインでこらえた>
<図④ 2日目後半= 4番で右 8番で左へOB>

 後半最初のリベンジ相手は、1日目にOBを打った4番パー3だった。2日目も同じ6番アイアンで打ち、グリーンは外したものの寄せワンでしのいでリベンジは果たした。

<写真② この表示も力みに?>

 でも神様は容赦がなかった。次の5番のティーショットでアドレスしながら思った。「これをアェアウェイに放てばリベンジ完成だ」。ルーティンを反芻し、体に言い聞かせて、振り切った—。そのつもり、だった。しかし白球は真ん中からやや右へ出て、わずかにフェードしながらまたもや右の林へ消えていった。

 落下地点でボールを探しながら振り返ると、もっと左を向いて打つべきだったとわかった。前日の打ち直しが左に出てOB連発になったことが判断ミスを招いていた。

 しかも8番では、その左へのひっかけが出てまたOBになった。右も左も、「リベンジ」どころか同じミスの繰り返し。つけと悔恨をさらに大きくして終わった。

■OB連発 ことし3度目 情けない

 大事な公式試合で、後半に入っての勝負どころでOBを連発して自滅するのは、ことしだけで3回目だった。

 3月末に名古屋港GCで開かれたPGSグランドシニアの愛知県予選では、最終18番ホールで連続OBを放って予選落ちした。左サイドを狙いすぎ、ドロー幅も大きすぎた。

 9月上旬のCGAミッドシニア中部地区決勝では、1日目の後半にOBをやはり2発打ってしまった。1発目は右、2発目が左の林に消えた。どちらも方向はよかったが、曲がりが大きすぎた。スコアは87。80位以内に1打足りず、2日目には進めなかった。

 失望から絶望、呆然自失から自己嫌悪…。同じようなミスはどのプレーヤーにもあるだろう。多くの選手が「あのミスさえなければ」とタラレバを数えているだろう。わかってはいるけれど、おのれへの情けなさが頭に住みついて去ってくれない。

■準ホームコースなのに

 会場となったパブリックの名古屋広幡ゴルフコースは準ホームコースといっていい。ぼくが所属するメンバー制の東名古屋カントリークラブに隣接していて、運営会社は同じだ。打ち放し練習場は真ん中にあって共用している。

<写真③ クラブハウスから18番を見下ろす>
<写真④ 2日とも「8.0f」>

 だから何度もラウンド経験があるが、満足できるプレーをできた記憶がない。多くのホールがかなりの打ち上げになっていて、表示距離で打っていくとかなりショートしてしまう。フェアウエーの整備もいいときは少なかった。

 グリーンも重い日が多く、パットもショートしがちだ。この大会もグリーンスピードは2日とも「8.0フィート」だった。

 ことしの夏の暑さを考えるとやむをえないかもしれない。ただ経験豊富なおじいさんゴルファーたちからは、辛口の評価が出ていた。「流し込んで入れるイメージが湧かないから、つまんない」「がつんと打たなきゃ入らない」。ぼくは、競技では条件はみな同じと割り切っていた。

■ことしの挑戦はあと1回 10月に能登で

 65歳になってから、日本ゴルフ連盟(JGA)か,日本パブリックゴルフ協会(PGS)が主催するミッドシニア(65歳以上)の部の全国大会に出るのを目標にしてきた。昨年に古稀になってからは、グランドシニア(70歳以上)の部も加わった。主催が2団体、クラスが2部門あるから、年に4回のチャンスがある。

 全国大会に出るためには、4部門とも、まず県レベルの予選を通過した上で、中部地区決勝で上位に入る必要がある。ぼくは2018年にPGSミッドで初めて中部地区決勝まで進むことができて、醍醐味と楽しみを知った。

 その後、今回のPGSミッドも含めて7回、中部地区決勝に挑んだけれど、ことごとく「中部の壁」に跳ね返されてきた。昨年のCGAミッド(涼仙)の44位タイが最高の成績だ。

 ことしの挑戦は、CGAのグランドだけが残っている。6月に愛知CCであった予選は5オーバーで通過できた。中部決勝の舞台は石川県の能登カントリークラブ(日本海・はまなすコース)。ここでいま、9月14日から、50歳以上の日本一のプレーヤーを決める「日本シニアオープン」が開かれていて、NHKがBS1で生中継している。

 深いラフとグリーン傾斜が難敵らしい。ぼくは録画をして、予習も兼ね、美しいコースと、宮本勝昌選手や藤田寛之選手がグリーン上で複雑なアンジュレーションに悩む姿を何度も見返している。アナウンサーは2日目のグリーン条件を「スピード10.5フィート、コンパクション22.0」と話していた。

<写真⑤ 次に挑戦する能登CC=NHKテレビから>

 ぼくらアマのグランドシニアの試合は、同じ舞台で10月5日(木)と6日(金)に開かれる。ことしから2日間競技になった。ぼくは金沢市内に2日前から4泊して、練習ラウンドからじっくりと味わってくる予定だ。グリーンとの対話が愉しみだ。

全国へは上位14人のみ

 この能登の試合も、まず1日目に80位タイまでに入らないと2日目には進めない。さらに広島での全国大会には最終上位14人しか進めない。今回のPGS広幡よりはるかに狭き門だ。おそらく2日間を平均「78」以下でラウンドできないと、14位には入れないだろう。

 となると、3パットとダブルボギーはそれぞれ、2日間で2回までが許容範囲になりそうだ。しかも、それを打ったら、同じ回数のバーディーが必要になるだろう。即時2打罰のOBは、1回でも打てば、その瞬間に全国の可能性がほぼ消えてしまうはずだ。

 OB連発の痛恨を癒せるのは、能登の舞台で2日間をOBなしで乗り切れた時だろう。なんとか2日目に進み、全国切符の可能性を後半まで維持していたい。その時のどきどきはどんなだろう。どんな景色が見えるのだろうか。

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