週3日ゴルフ場へ うち2日「練習のみ」
年の瀬の12月27日、所属クラブまで出かけて練習場で100球を打ち「2023年の”する”ゴルフ」を終えた。ことしも週に3日はゴルフ場に通い、うち2日は「練習のみ」で帰宅し、うち1日はコースに出てラウンドした。クラブ内ではハンディが片手になり、シニアとグランドの年間2冠にもなれた。しかし公式試合ではことしも”中部の壁”を越えることができず「全国への夢」は来年に持ち越した。
■開放感とタイムフリー
「きょうは練習のみ、ラウンドはしない」。そう決めた日も、ぼくはゴルフ場まで出かけた。メンバーになっている東名古屋CCか、打ち放し場を一般にも開放している愛知カンツリーのどちらか。その回数は91日、週に2回弱のペースで、2022年より2回だけ多かった。
わざわざゴルフ場まで行くのは、市街地にある打ち放し練習場より広々としていて開放感があり、景色もいいからだ。打つボールも試合球に近く、200ヤード先まで打てるから球筋を確認しやすい。
<▲(左)だれもいない (中)ネットはない(右)隣りはコース
それに、その日ラウンドする人は、練習場で20球か30球を打つと、コースへ出ていく。午前9時半を過ぎても打つ続けている”物好き”は、ほとんど毎回、ぼくしかいなくなる。
そうするといつしか、スイングとボールとの対話に没入している。そんな空間と時間を、ぼくは退職してからやっと愛おしいと思えるようになった。
それに所属クラブであれば、アプローチやパットの練習も、本番と同じ芝の上で気がすむまで続けられる。小技の大切さが身に染むにつれ、この時間が増えた。
時間や体力に余裕がある日は、アプローチとパットだけで朝10時から午後2時まで没頭したことが何度もある。帰りにお風呂に入れるのもうれしい。
■63ラウンドを15のコースで
コースに出てラウンドしたのは計63回だった。こちらは「週に1回強」のペースで、2022年より1回だけ少なかった。もともと50歳になった2002年から「週末に1回、年50ラウンド」を20年、維持してきていた。3年前の退職後は、平日開催の公式試合が加わり60回を超えるようになった。
ことしラウンドしたゴルフ場は15コースとなった(表①)。ラウンド数はもちろん、メンバーになっている東名古屋CCがもっとも多くて、全体の3分の2を占めた。
それ以外のコースのうち、メイプルヒルズ(滋賀)は、関西在住で敬愛するゴルフ作家との年1回の懇親ラウンドの場だった。
春日井(愛知)と六石(三重)とナガシマ(三重)は、編集局時代のゴルフ仲間と一緒だった。春日井は名匠・井上誠一の設計コースだったから、「書くゴルフ」の巡礼記も楽しんだ。
東京相武(東京都)は、バンコク特派員の時に、現地で何度もラウンドした他社のゴルフ好きと一緒だった。22年ぶりに再会したゴル友と「微笑みの国」での思い出を語りながら…。記憶の海を漂う、夢のような18ホールになった。
ほかのコースは公式競技の予選や中部地区決勝の舞台だった。なかでも石川県の名門、能登カントリーが印象深い。練習で2回、本番で2回、ラウンドした。生涯で初めての「4日連続」。その体験記は、書きながら半分は楽しく、半分は悔しくてたまらなかった。
■平均スコア84.1 やや悪化
ラウンドから帰るとゴルフダイジェスト社のサイトにアクセスし、自分のスコアを記入するのはことしも日課だった。63ラウンドのまとめ(表②)と各種スタッツ(表③)を眺めていると、いろいろと見えてくるものがある。
主要5データを2022年、2021年と比べると、下のようになる。フェアウェーキープ率とOB率が改善しているのがうれしい。ドライバー練習の成果だろう。
2023 2022 2021
平均スコア 84.1 83.8 84.9
平均パット数 31.6 31.6 29.8
FWキープ率 56.4 50.4 49.6
パーオン率 27.3 27.7 14.4
OB発生率 1.9 2.9 6.7
それなのにパーオン率は昨年より悪くなった。130~150ヤードのアイアンの精度が上がらなかった気がする。ミドルアイアンは練習でも、なかなか芯で打てず、手ごたえが得られないまま1年が過ぎてしまった。道具を変えるのも手かもしれない。
■公式試合も5回 予選落ちも
公式試合にはミッドシニア(65歳以上)とグランドシニア(70歳以上)の2部門で5試合に出た。全国大会まである4試合のうちPGSグランドの1試合は愛知県予選で敗退。残り3試合は中部地区決勝まで進んだものの、全国体切符には届かなかった。
もっとも惜しかったのは、10月に能登カントリーで開かれたCGAグランドシニア中部地区決勝だった。2日間トータルで全国切符より4打多く打った。1日目後半の乱れと2日目後半の粘りとがいまも頭の中で交錯している。
念願の「全国」に行くには、粘りに粘ってパーを拾っていく技と精神を、苦しい時ほど発揮できるように、いまより深く身につけないといけない。6200ヤードのコース設定なら、悪くても80までに抑えられる技量がいるだろう。
■クラブは好調 ハンディ片手+2冠
メンバーとして所属している東名古屋CCでは、公式試合に向けた日常の練習の成果が、一年でふたつも結実した。
ひとつは、クラブハンディが2つも縮まり、7月には念願の「片手の5」になったことだ。70歳をすぎてから、レギュラーより前の「古稀ティー」から打てるようになったのも大きい。「書くゴルフ」では、ハンディ5までの変遷を軸に自分のゴルフ人生を振り返ってみた。
もうひとつは、年に1回ずつある年齢別選手権競技のうち「2冠」になれたことだ。60歳以上のメンバーで競うシニアチャンピオン戦(9月)と、70歳以上のグランドシニアチャンピオン戦(11月)。とくに60歳以上のシニアは、71歳になったぼくが優勝できるとは考えてもいなかった。
「品格」を目指して
ふたつのラッキーなご褒美によって、クラブライフでの目標はほぼ達成できてしまった。残るのは「エージシュート」くらい。18ホールを、自分の年齢かそれ以下のスコアで回るというのは、いまの71歳という年齢と、ことしのベストスコアが77だったのを考えると、かりに実現できるとしても、まだまだ先になるだろう。
でも、ぼくの性格からすると、メンバーの見る目や評価はいままで以上に意識するだろう。雑なプレーやイージーミスで自滅なんて、絶対に避けたい。惨めなプレーが続いてしまうと、自らを許せなくなり、ゴルフへの熱が冷めてしまう恐れもある。
基本はやはり、地道な練習と、ひとつひとつのプレーを大事にすることだ。そのうえで「品格」も重視したプレーができないだろうか。同伴者に「次も一緒に回りたい」と思ってもらえる老人にもなりたい。そのうえで自らもプレーを心底愉しめる境地を目指す、というのはどうだろう。思いつくまま書き出し、字数をそろえてみると—
礼儀をわきまえ悪口はいわない
自分のプレーはすこしでも早く
同伴者のボールの行方よく見る
次も一緒にと思われる人になる
そのうえでプレーを心底愉しむ
うーん、これを18ホール通すのは、かなり難しそうだ。でもまずは、少しずつでもやってみよう。そもそも「品格」というものは、長年の積み重ねからしか生まれないはずだ。その積み重ねは、「全国」を目指す来年の公式試合でも、しびれる瞬間にこそ生きてくるに違いない。